ハート型の三つ葉と星のような可憐な花姿で多くの人を魅了するオキザリス。
ピンク・白・黄色・紫など豊かな色彩と、夜や曇りの日に閉じる睡眠運動の面白さで、四季を通じて庭やベランダを楽しませてくれます。
球根性から宿根性まで多様な種類があり、適切な管理を覚えれば毎年美しい花を楽しめる魅力的な植物です。
今回はそんなオキザリスについてご紹介します。
オキザリスの基本情報

項目 | 内容 |
---|---|
学名 | Oxalis |
科名・属名 | カタバミ科 / カタバミ属 |
原産地 | 世界各地(南アフリカ・南米など) |
分類 | 球根植物・多年草(種類による) |
草丈 | 5〜30cm程度 |
開花時期 | 種類により年中(主に秋〜春) |
耐寒性・耐暑性 | 種類による / 種類による |
オキザリスの魅力と特徴
オキザリスはハート型の三つ葉と星型の5弁花が特徴的で、まるで小さな妖精のような愛らしさがあります。
花色はピンク、白、黄色、紫、オレンジなど豊富で、一重咲きから八重咲きまで品種のバリエーションも豊かです。
最大の特徴は「睡眠運動」で、夜間や曇りの日、雨の日には花が閉じて、晴れた日の昼間に開花する面白い性質があります。
グランドカバーとしても優秀で、小さなスペースでも存在感を発揮します。
オキザリスに毒性はあるの?
オキザリスは一般的に低毒性とされていますが、シュウ酸を含むため大量に摂取すると消化器系に影響を与える可能性があります。
特にペットや小さなお子さんがいるご家庭では、大量に食べさせないよう注意が必要です。
通常の園芸作業では問題ありませんが、念のため作業後は手を洗うようにしましょう。
オキザリスの育て方

置き場所 | 日当たりのよい風通しのいい場所 |
用土 | 水捌けのよい用土 |
水やり | 生育中はたっぷりと与える 休眠期は控えめにし、完全に乾燥させないようにする |
肥料 | 植え付け時には緩効性肥料 生育中は月一程度で液肥 |
オキザリスの置き場所
日当たりの良い場所を好みます。
半日陰でも育ちますが花付きが劣ります。
オキザリスのおすすめの用土
特にこだわりなく育ちますが、水はけの良い土を好みます。
水捌けを意識するなら、赤玉土5+腐葉土3+パーライト2などの配合がおすすめです。
オキザリスの水やり
生育期は土の表面が乾いたらたっぷりと与えます。
休眠期は控えめにし、完全に乾燥させないよう注意します。
オキザリスの肥料の与え方
植え付け時に緩効性肥料を施し、生育期間中は月1回程度液体肥料を与えます。
オキザリスの植え付け・植え替え・増やし方

植え付け時期
球根性オキザリスは9月〜11月の秋植えが適期です。
宿根性オキザリスは春と秋が植え付け適期になります。
球根の場合、2〜3cmの浅植えにし、株間はどちらも5〜10cm程度確保します。
球根の上下がわからない場合は横向きに植えても問題ありません。
植え替え
球根性は2〜3年に1回、宿根性は毎年または2年に1回植え替えます。
球根が増えている場合は分球して植え付けます。
オキザリスの増やし方
オキザリスの増やし方は「分球」「株分」「種まき」で増やすことができます。
球根のオキザリスは分球で、宿根草のオキザリスは種まきか株分がおすすめです。
分球 | 植え替え時に子球を分けて植える |
株分け | 宿根性タイプを春または秋に株分け |
種まき | 種ができた場合は春に播種(品種により異なる) |
オキザリスの季節ごとの管理方法

季節 | 管理ポイント |
---|---|
秋(9〜11月) | 球根植え付け。発芽開始で水やり・施肥開始 |
冬(12〜2月) | 開花期。寒さ対策・適度な水やり継続 |
春(3〜5月) | 開花継続。花がら摘み・追肥で長く楽しむ |
夏(6〜8月) | 休眠期。水やり控えめ・球根は掘り上げ保管 |
オキザリスに発生しやすい病害虫とその対策

オキザリスに発症しやすい病気
灰色かび病: 高温多湿時に花や葉に発生。風通しを良くし、枯れた花や葉を除去。
うどんこ病: 乾燥と高温で発生しやすい。予防的に薬剤散布も効果的。
軟腐病: 球根が腐る病気。水はけの改善と過湿を避けることが重要。
オキザリスに発生しやすい害虫
アブラムシ: 新芽や蕾に発生。見つけ次第除去または薬剤散布。
ハダニ: 乾燥時に葉裏に発生。葉水で予防効果があります。
ナメクジ: 若葉を食害。夜間に活動するため、夕方以降の観察で早期発見。
オキザリスによくあるトラブルと対処法

トラブル①花が開かない
日照不足や気温の低下が原因です。
日当たりの良い場所に移動するか、室内の明るい窓辺で管理してください。
トラブル②球根が腐る
水のやりすぎや水はけの悪い土が原因です。
水はけの良い用土に植え替え、水やりの頻度を見直しましょう。
トラブル③葉ばかりで花が咲かない
窒素過多や日照不足が考えられます。
リン酸系の肥料に切り替え、日当たりの良い場所で管理してください。
オキザリスのおすすめ品種

オキザリス・ボーウィー
オキザリス・ボーウィーはメジャーな品種で、鮮やかなピンク色の大輪花が美しい人気があります。
秋植え球根で比較的育てやすい種類です。
オキザリス・フラバ
オキザリス・フラバは明るい黄色の花が印象的です。
春咲きで寒さにやや弱いため、寒冷地では鉢植え管理がおすすめです。
開花シーズンは秋になります。
オキザリス・デッペイ(四つ葉のクローバー)
オキザリス・デッペイは、ラッキークローバーやモンカタバミという名前でも親しまれています。
4枚葉で赤い斑点があり、ピンク色や白色の花を咲かせます。
オキザリスの楽しみ方

グランドカバーとして
繁殖力が旺盛な品種は、花壇の空いたスペースや樹木の根元のグランドカバーに最適です。
寄せ植えのアクセントに
小ぶりな花と特徴的な葉形で、寄せ植えのアクセントとして重宝します。
春の花との組み合わせがおすすめです。
室内での鉢植え観賞
睡眠運動を間近で観察できるため、お子さんの自然学習にも活用できます。
日当たりの良い窓辺での管理が適しています。
オキザリス栽培Q&A

- Q球根の上下がわからないときは?
- A
オキザリスの球根は上下がわからない場合が多いです。
横向きに植えれば芽は自然に上向きに成長します。
- Q増えすぎて困ったときは?
- A
繁殖力が旺盛な品種は定期的に間引きが必要です。
掘り上げた球根は他の場所に植えるか、知人に分けてあげましょう。
- Q室内で育てられますか?
- A
日当たりの良い窓辺なら室内栽培も可能です。
ただし、定期的に屋外の日光に当てると花付きが良くなります。
オキザリスの豆知識や名前の由来

オキザリス(Oxalis)の名前はギリシャ語の「oxys(酸っぱい)」に由来し、葉にシュウ酸を含み酸味があることから名付けられました。
英名では「Wood Sorrel(ウッド・ソレル)」と呼ばれ、森の酸っぱい草という意味です。
また、「Shamrock(シャムロック)」とも呼ばれ、アイルランドの国花としても親しまれています。
世界中に約900種が分布し、その中でも南アフリカ原産の種類が園芸植物として多く栽培されています。
花言葉は「喜び」「輝く心」「母の優しさ」「決してあなたを捨てません」などで、可愛らしい花姿や忠実に咲く性質から生まれた言葉が付けられています。
オキザリスのまとめ|年間栽培スケジュール
月 | 作業内容 |
---|---|
9〜10月 | 球根植え付け・株分け |
11〜12月 | 発芽・生育開始・水やり開始 |
1〜3月 | 開花期・花がら摘み・追肥 |
4〜5月 | 開花継続・分球確認 |
6〜7月 | 休眠準備・水やり減らす |
8月 | 休眠期・球根保管または土中放置 |
- 日当たりの良さが美しい開花の秘訣
- 水はけの良い土で球根の健康を保つ
- 睡眠運動を楽しみながら観察する
- 定期的な分球で適度な株数を維持
オキザリスは小さいながらも存在感のある愛らしい花と、特徴的な睡眠運動で多くの人を魅了する植物です。
球根性から宿根性まで多様な品種があり、それぞれ異なる美しさを楽しむことができます。
初心者でも育てやすく、グランドカバーから室内観賞まで幅広い用途で活用できるオキザリスで、一年を通した園芸ライフを楽しんでみてください。
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