夏の花壇で、日陰でも元気に咲き続けてくれる頼れる存在といえばインパチェンス。
赤、ピンク、白、紫、オレンジなど豊富な花色と、初心者にも育てやすい性質で、多くのガーデナーに愛されています。
日陰のスペースを明るく彩り、長期間にわたって美しい花を楽しませてくれるインパチェンスの魅力と育て方を詳しくご紹介します。
インパチェンスの基本情報

項目 | 内容 |
---|---|
学名 | Impatiens |
科名・属名 | ツリフネソウ科・インパチェンス属 |
和名 | アフリカホウセンカ |
原産地 | アフリカ・東南アジアなど熱帯地域 |
分類 | 一年草または多年草(日本では一年草扱いが多い) |
草丈 | 20〜40cm程度 |
開花期 | 5月〜10月(長期間咲き続ける) |
耐寒性 | 寒さに弱い |
耐暑性 | 暑さにやや弱い(蒸れに注意) |
インパチェンスの特徴と魅力
インパチェンスの最大の魅力は、日陰や半日陰でもよく咲き、豊富な花色を楽しめることです。
花壇、鉢植え、吊り鉢、寄せ植えと用途も広く、ガーデニング初心者に特に人気の夏の花として親しまれています。
長期間にわたって次々と花を咲かせる性質も、多くの園芸愛好家に支持される理由の一つです。
インパチェンス育て方の基本

置き場所 | 半日陰や明るい日陰 |
用土 | 水捌けがよく、保水性の高い用土 |
水やり | |
肥料 |
インパチェンスの置き場所・植え付け場所
半日陰〜明るい日陰が最適です。
真夏の直射日光は避けましょう。
直射日光に当たると葉焼けを起こし、株が弱ってしまう原因になります。
インパチェンスにおすすめの用土
水はけと保水性のバランスが良い土が理想的です。
草花の培養土だけでも育ちますが、赤玉土5:腐葉土3:ピートモス2の用土もおすすめです。
インパチェンスの水やり
地植えの場合極端に乾燥しなければ、水やりの必要はありません。
鉢植えの場合は、表面の土が乾いたらたっぷりとあげましょう。
インパチェンスの肥料の与え方
肥料負けしやすいので、元肥は施さず、2週間に1回の液体肥料で花を次々と咲かせることができます。
定期的な施肥が長期間の開花を支える重要なポイントです。
インパチェンスの植え付け・剪定・増やし方

インパチェンスの植え付け適期
4月中旬〜6月ごろが植え付けの適期です。
霜の心配がなくなってから植え付けを行いましょう。
株間は15〜20cm程度が理想です。
インパチェンスの剪定
株が乱れてきたら軽く剪定を行います。
特に夏や花が減ったときに有効で、株の形を整えることができます。
梅雨時期前に一度刈り込むことで、蒸れ予防にもつながります。
インパチェンスの増やし方
インパチェンスは、挿し芽で増やすことができ、適期は5〜7月です。
ただ、一年草として扱うことの多いインパチェンスの場合、種で増やす方がおすすめです。
インパチェンスの季節ごとの管理

季節 | 管理内容 |
---|---|
春 | 苗の植え付け、元肥施用 |
夏 | 毎日の水やり、花がら摘み、風通し確保 |
秋 | 涼しくなっても開花が続く。肥料は控えめに |
冬 | 一年草扱いで処分。多年草タイプは室内で越冬可能(15℃以上) |
インパチェンスに発生しやすい病害虫とその対策

インパチェンスに発症しやすい主な病気と予防方法
インパチェンスには、灰色かび病やベト病などの高温多湿が原因の病気が発症しやすいです。
剪定をして風通しをよくすることで予防することができます。
発症している葉っぱや茎を見つけた場合は、すぐに取り除き、症状がひどければ薬剤を散布しましょう。
病名 | 原因・対策 |
---|---|
灰色カビ病 | 高湿+蒸れが原因。風通し&葉の整理を |
ベト病 | 高湿度環境で発生。通風確保が重要 |
インパチェンスに発生しやすい主な害虫
インパチェンスは、アブラムシやハダニ、線虫などの被害に会いやすい植物です。
発見したら手で駆除したり、水をかけることでハダニ・アブラムシは予防することができます。
線虫対策は、新しい培養土を使うことで予防することができます。
地植えの場合は、近くにマリーゴールドを植えることで対策することができます。
害虫被害も気になるようであれば、なるべく早く農薬を使って対策しましょう。
害虫名 | 対策 |
---|---|
アブラムシ | 早期発見・早期駆除が重要 |
ハダニ | 乾燥時に発生しやすい |
線虫 | 新しい用土を使う |
インパチェンスのよくあるトラブルと対処法

トラブル①花が少ない / 咲かない
インパチェンスの花が咲かない、数が少ない原因は、
日照不足または肥料切れの可能性があります。
インパチェンスの場合は、日陰を好む植物のため、肥料切れの可能性が高いといえます。
液体肥料を与えて、可能であれば少しだけ明るい日陰に移動させ様子を見ましょう。
トラブル②葉が黄色くなる
インパチェンスの葉っぱが黄色くなる原因は、過湿や根詰まりの可能性が考えられます。
用土の見直しや蒸れていないかのチェックが必要です。
水やりの量を減らして、剪定をして様子をみましょう。
改善しないようであれば、用土を変えましょう。
トラブル③茎が伸びすぎる
インパチェンスの茎が伸びる(徒長)する場合は、日光不足や肥料過多が原因と考えられます。
日当たりの良い場所に移動させ肥料を与えるのを止めましょう。
また、肥料を急に与えると徒長してしまう場合もあります。
徒長が気になる場合は、一度剪定をして仕立て直しましょう。
インパチェンスの人気品種

品種 / 系統 | 特徴 |
---|---|
スーパーエルフィン | 草丈低め。よく咲き管理も簡単 |
フィエスタ | 八重咲きで豪華な印象。鉢植え向き |
サンパチェンス | 高温・直射日光にも強い改良品種。大きく育ち迫力満点 |
バウンスシリーズ | 雨に強く、耐病性が高いハイブリッド種 |
インパチェンスの楽しみ方

日陰ガーデンの主役として
インパチェンスは、日陰で華を咲かせる植物の中でもカラフルな華を咲かせてくれます。
暗くなりがちな日陰の花壇に明るさをプラスしてくれます。
コンテナガーデンで楽しむ
バウンスシリーズやフィエスタ品種は、単体でもボリュームある見応えで楽しむことができます。
シェードガーデンと組み合わせる
シェードガーデンは、耐陰性の植物を楽しむガーデニング。
コリウスやヒューケラ、ホスタなどの葉を楽しむリーフプランツとの相性も抜群です。
リーフプランツ特有のシックなカラーリングに、インパチェンスの派手な色合いがアクセントになります。
インパチェンスのQ&A(よくある質問)

- Q暑い夏に元気がなくなったらどうしたらいいですか?
- A
蒸れによる根腐れや高温障害の可能性があります。
明るい日陰に移動し、風通しをよくしましょう。
- Q秋になっても花が咲き続けているけど大丈夫?
- A
全く問題ありません。霜が降りるまで咲き続けます。
気温が10℃以下になる前に処分するか室内に取り込みましょう。
- Q花がら摘みは必要?
- A
こまめに摘んでおくと病気予防になり、次の花が咲きやすくなります。
美しい株姿を保つためにも重要な作業です。
インパチェンスの花言葉や豆知識

インパチェンスの名前の由来は、ラテン語で「我慢できない」から来ています。
果実が熟すと弾けて種を飛ばす性質からその名前が付けられました。
インパチェンスが品種改良されてできた、サンパチェンスなどは、公園や施設の緑地にもよく使われています。
インパチェンスの花言葉には、「鮮やかな人」「私に触れないで」「短気」などがあります。
インパチェンスまとめ
- 明るい日陰がベスト:真夏の直射日光は避けて育てる
- 適度な水やり+追肥:長期間咲き続けるための重要な管理
- 花がら摘み&切り戻し:美しい株姿をキープするために必要
- 挿し芽でどんどん増やせる:繁殖も簡単で嬉しいポイント
インパチェンスは日陰でも美しく咲く貴重な夏の花です。
適切な管理を行えば、5月から10月までの長期間にわたって色とりどりの花を楽しむことができます。
日照条件の厳しい場所でも確実に花を咲かせてくれる頼れる存在として、ぜひあなたのガーデンでもインパチェンスの魅力を体験してみてください。
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