小さくて可愛らしい花を房状に咲かせ、長期間にわたって美しさを保ち続けるカランコエ。
赤、ピンク、黄色、オレンジ、白など豊富な花色と、肉厚で光沢のある美しい葉が魅力的な多肉植物です。
乾燥に強く手入れが簡単で、初心者にも育てやすいため、室内観葉植物としても人気が高く、ギフトとしても喜ばれています。
一度開花すると数ヶ月間花を楽しむことができ、適切な管理で毎年花を咲かせることができる、とても経済的で魅力的な植物です。
今回はそんなカランコエについてご紹介します。
カランコエの基本情報

項目 | 内容 |
---|---|
学名 | Kalanchoe blossfeldiana |
科名・属名 | ベンケイソウ科 / リュウキュウベンケイ属 |
原産地 | マダガスカル島 |
分類 | 多肉植物・多年草 |
草丈 | 15cm〜40cm程度 |
開花時期 | 11月〜5月(主に冬〜春) |
植え付け時期 | 4月〜6月、9月〜10月 |
耐寒性・耐暑性 | やや弱い(5℃以上) / 強い |
カランコエの魅力と特徴
カランコエは多肉植物の中でも特に花を楽しむことができる貴重な種類で、小さな4弁花が密集して房状に咲く姿は非常に華やかです。
花色は赤、ピンク、黄色、オレンジ、白、紫など非常に豊富で、単色から複色まで様々な品種があります。
一度開花すると2〜4ヶ月という長期間にわたって花を楽しむことができ、経済的価値も高い植物です。
肉厚で光沢のある葉も美しく、花のない時期でも観葉植物として十分な観賞価値があります。
葉の縁に小さな切れ込みがあるのも特徴的で、品種によっては葉の縁が赤く色づくものもあります。
多肉植物らしく乾燥に強く、水やりの頻度が少なくて済むため、忙しい人や初心者にも育てやすいのが大きな魅力です。
室内でも屋外でも育てることができ、温度管理ができれば年中美しい状態を保つことができます。
カランコエに毒はあるの?
カランコエには軽微な毒性があり、葉や茎にサポニンなどの成分を含んでいます。
人間が少量摂取しても大きな問題はありませんが、ペット(特に犬や猫)が大量に摂取すると消化器症状を起こす可能性があります。
小さなお子様やペットの手の届かない場所に置くか、観察できる環境で管理することをおすすめします。
通常の観賞や手入れでは全く問題ない程度の毒性ですが、作業後は手を洗う習慣をつけましょう。
カランコエの育て方

項目 | 内容 |
---|---|
置き場所 | 明るい室内の窓際 または日当たりの良い屋外 |
用土 | 水はけの良い多肉植物用培養土 |
水やり | 土が完全に乾いてから たっぷりと(月2-3回程度) |
肥料 | 春と秋に緩効性肥料 液肥は月1回程度 |
カランコエの置き場所
明るい場所を好みますが、真夏の強い直射日光は葉焼けの原因になります。
室内では南向きの窓際、屋外では午前中の日光が当たり午後は半日陰になる場所が理想的です。
冬は室内に取り込み、10℃以上を保つと花芽形成が促進されます。
風通しの良い場所を選ぶことも重要です。
カランコエにおすすめの用土
水はけの良い土が絶対条件です。市販の多肉植物用培養土が最適ですが、一般的な培養土に軽石やパーライトを3割程度混ぜても良いでしょう。
地植えの場合は、砂や軽石を混ぜて水はけを大幅に改善する必要があります。
pH6.0〜7.0の中性に近い土壌を好み、有機質よりも無機質主体の土の方が適しています。
カランコエの水やり
多肉植物らしく乾燥を好むため、土が完全に乾いてから水やりします。
目安として春〜秋は月2〜3回、冬は月1〜2回程度です。水やりの際はたっぷりと与え、鉢底から水が流れ出るまで与えます。
受け皿に溜まった水は必ず捨て、常に湿った状態は避けましょう。
葉に水がかからないよう、土の表面に直接与えることが大切です。
カランコエの肥料は?
肥料はそれほど多く必要としませんが、春(4〜5月)と秋(9〜10月)に緩効性化成肥料を少量施します。
生育期には月1回程度、薄めの液体肥料を与えると花付きが良くなります。
冬の低温期や夏の高温期は肥料を控え、特に窒素過多は徒長の原因になるため注意が必要です。
カランコエの植え付け・植え替え・増やし方

カランコエの植え替えの適期は、生育期の春(4〜6月)または秋(9〜10月)です。
鉢植えの場合は1〜2年に一度、根詰まりしたら一回り大きな鉢に植え替えます。
植え替え時は古い土を落とし、傷んだ根を整理してから新しい土で植え付けます。
植え替え後は1週間程度水やりを控え、明るい日陰で管理して根の活着を促します。
カランコエの増やし方
カランコエを増やす方法は複数あり、比較的簡単に増やすことができます。
葉挿し | 健康な葉を取り、乾燥させてから土の上に置く。 最も簡単な方法 |
挿し芽 | 茎の先端5〜8cmを切り取り、切り口を乾燥させてから挿し木 |
株分け | 植え替え時に子株を分離して別々に植え付け |
どの方法も成功率が高く、特に葉挿しは初心者にもおすすめです。
カランコエの季節ごとの管理方法

季節 | 管理ポイント |
---|---|
春(3〜5月) | 植え替え・株分け・施肥開始・屋外管理開始 |
夏(6〜8月) | 半日陰管理・水やり注意・花がら摘み |
秋(9〜11月) | 施肥・短日処理開始・室内取り込み準備 |
冬(12〜2月) | 室内管理・開花管理・水やり控えめ |
カランコエに発生しやすい病害虫とその対策

カランコエに発症しやすい病気
灰色かび病: 多湿時に花や葉にカビが発生。風通しを良くし、水やりを控えめに。
根腐れ病: 過湿が原因で根が腐る。水はけの良い土と適切な水やりで予防。
うどんこ病: 葉が白く粉を吹く。風通し改善と殺菌剤の予防散布が効果的。
カランコエに発生しやすい害虫
アブラムシ: 新芽や花に発生。早期発見・駆除が重要。
カイガラムシ: 茎や葉裏に付着。ブラシで除去または薬剤散布。
ハダニ: 乾燥時に発生。葉の表面に細かい斑点ができる。
カランコエによくあるトラブルと対処法

トラブル①花が咲かない
日照不足や短日処理不足が原因です。
十分な日光に当て、秋から短日処理(12時間以上の暗闇)を6〜8週間続けましょう。
トラブル②葉が黄色くなって落ちる
過湿による根腐れの可能性が高いです。
水やりを控え、水はけの良い土に植え替えを検討しましょう。
トラブル③徒長して姿が乱れる
日照不足や窒素過多が原因です。
明るい場所に移し、肥料を控えて管理しましょう。摘心で形を整えることも効果的です。
カランコエのおすすめ品種

‘クイーンローズ’
クイーンローズは、バラのような八重咲きの花が美しい品種です。
花持ちが良く、ピンクやレッドの花色が特に人気があります。
‘カランディーバ’
カランディーバは、ふっくらとした八重咲きの花が特徴的な品種群です。
花持ちが非常に良く、3〜4ヶ月間開花し続けます。
‘ウェンディー’
ウェンディーは、下向きの釣鐘型に、濃い赤紫色の花弁の先端が黄色い縁取りを持ち、冬から春にかけて枝垂れるように咲くのが特徴です。
カランコエの楽しみ方

室内観葉植物として
日当たりの良い窓際で年中楽しむことができ、花のある室内空間を演出します。
水やりの頻度が少ないため、忙しい人にも最適です。
ギフトとして
長期間花を楽しめるため、お祝いやプレゼントとして人気があります。
母の日や誕生日などの贈り物に最適です。
寄せ植えで楽しむ
他の多肉植物と組み合わせて、カラフルな寄せ植えを作ることができます。
異なる花色の品種を組み合わせても美しいです。
屋外での季節栽培
春から秋にかけては屋外でも栽培でき、花壇やコンテナガーデンでも活用できます。
カランコエ栽培Q&A

- Q花を長く楽しむコツはありますか?
- A
適度な温度(15〜20℃)を保ち、終わった花は早めに摘み取ることで、次々と新しい花が咲き続けます。
- Q花が終わった後はどうすればいいですか?
- A
花茎を根元から切り取り、新しい芽の成長を促します。適切な短日処理で翌年も開花します。
- Q夏の管理で注意することは?
- A
強い直射日光を避け、風通しの良い半日陰で管理します。水やりは夕方の涼しい時間に行いましょう。
カランコエの豆知識や名前の由来

「カランコエ」の名前は、中国語の「加藍菜(カランサイ)」に由来するという説が有力です。
学名の「Kalanchoe」は、フランスの植物学者ミシェル・アダンソンが18世紀に命名しました。
原産地のマダガスカル島では、125種以上の野生のカランコエが自生しており、現在栽培されている園芸品種の多くはこれらを基に品種改良されたものです。
カランコエは短日植物として有名で、花芽形成には12時間以上の連続した暗闇が6〜8週間必要です。
この性質を利用して、花屋では電照栽培により開花時期をコントロールしています。
マダガスカルの現地では、一部の種が民間療法で傷薬として使われていましたが、園芸品種は観賞専用です。
多肉植物愛好家の間では「カランコエ・ファミリー」と呼ばれ、葉から子株が出る種類(子宝草など)も人気があります。
花言葉は「幸福を告げる」「たくさんの小さな思い出」「あなたを守る」で、長く咲き続ける花の特性から生まれた温かい意味を持っています。
カランコエのまとめ|年間栽培スケジュール
月 | 作業内容 |
---|---|
4〜5月 | 植え替え・株分け・屋外管理開始・施肥開始 |
6〜8月 | 半日陰管理・水やり調整・花がら摘み |
9〜10月 | 短日処理開始・室内取り込み・施肥 |
11〜2月 | 開花期・室内管理・水やり控えめ |
3月 | 花がら摘み・春の準備・管理場所検討 |
- 水はけの良い土と適切な水やりで根腐れを防止
- 明るい場所での管理で健全な生育を促進
- 短日処理で確実な花芽形成を実現
- 適度な施肥で美しい花色と長期開花を維持
- 季節に応じた置き場所の調整で年中管理
カランコエは多肉植物の中でも特に花を楽しめる魅力的な植物です。
手入れが簡単で長期間花を楽しむことができ、初心者にも上級者にも愛され続けています。
室内でも屋外でも育てることができ、ギフトとしても大変喜ばれます。
美しい花と肉厚な葉の両方を楽しめるカランコエで、四季を通じた豊かな植物ライフを始めてみてください。
コメント