春の花壇に雪化粧をしたような美しい白い花を咲かせるイベリス。
その可憐な姿と育てやすさから、ガーデニング初心者からベテランまで幅広く愛され続けている人気の植物です。
グランドカバーから寄せ植えまで、様々な用途で活躍するイベリスの魅力と育て方を詳しくご紹介します。
イベリスの基本情報

項目 | 内容 |
---|---|
学名 | Iberis sempervirens |
科名・属名 | アブラナ科・イベリス属 |
和名 | マガリバナ(屈曲花) |
原産地 | 地中海沿岸地域 |
分類 | 多年草または一年草(種類による) |
草丈 | 15〜30cm程度 |
開花期 | 3〜5月ごろ(多年草)/春〜初夏(種類による) |
耐寒性 | 寒さに強い |
耐暑性 | 暑さにやや弱い |
イベリスの最大の魅力は、まるで雪が積もったような真っ白な小花を密に咲かせることです。
主に常緑の多年草「イベリス・センペルヴィレンス」が広く栽培されており、グランドカバーや花壇の縁取り、寄せ植えに大人気の植物として親しまれています。
春のガーデンを華やかに彩り、ナチュラルガーデンからフォーマルガーデンまで幅広いスタイルにマッチします。
イベリスの育て方の基本

置き場所 | 日当たりのいい場所 |
用土 | 水捌けのより中性〜弱アルカリせい用土 |
水やり | 地植えは雨のみでOK 鉢植えの場合は、土の表面が乾いたらたっぷり |
肥料 | 元肥と春先にごろから液肥などの肥料 |
イベリスの日当たり・置き場所
イベリスは日当たりのよい場所を好みますが、半日陰でも十分育ちます。ただし、花付きを良くするためには、できるだけ日当たりの良い場所で育てることをおすすめします。
イベリスのおすすめ用土は?
水はけのよい中性〜弱アルカリ性の土を好みます。石灰を少量混ぜると生育がより良くなります。
土の配合例 | 配合比率 |
---|---|
草花用培養土 | そのまま使用可能 |
手作り配合土 | 赤玉土6 + 腐葉土3 + パーライト1 |
イベリスの水やり
地植えの場合は、基本的に自然任せでOKです。
夏などに極端な乾燥時にのみ水やり朝夕に水やりを行いましょう。
鉢植えの場合は、表土が乾いたらたっぷりと水やりを行いましょう。
イベリスの肥料の与え方
植え付け時に元肥として緩効性肥料を施し、春に追肥として液体肥料や化成肥料を少量与えます。肥料を与えすぎると徒長の原因となるため、控えめに管理することがポイントです。
イベリスの植え付け・剪定・増やし方

イベリスの植え付け時期
春または秋(9〜11月または3〜4月)が植え付けの適期です。
気候が穏やかな時期を選ぶことで、株への負担を軽減できます。
イベリスの剪定(切り戻し)
開花後すぐに株元近くまで切り戻すことが重要です。
これにより株が蒸れにくくなり、株姿も整います。
また、再び美しい花を咲かせるための準備にもなります。
イベリスの増やし方
差し芽や株分で増やすことができます。
確実に増やすことができるのは、株分です。
植え替えのタイミングで株を分けることでストレスを減らすことができます。
方法 | 時期・詳細 |
---|---|
挿し芽 | 5〜6月頃に柔らかい茎を使って挿し芽可能 |
株分け | 株が大きくなったら、植え替え時に株分けも効果的 |
イベリスの季節ごとの管理ポイント

季節 | 管理内容 |
---|---|
春 | 花期。開花後に剪定し、追肥を行う |
夏 | 蒸れに注意。風通しの良い場所で管理 |
秋 | 植え替え・植え付け適期 |
冬 | 寒さに強いが、霜よけ対策をすると安心 |
イベリスに発生しやすい病害虫とその対策

イベリスに発症しやすい主な病気
イベリスは、うどんこ病や灰色かび病などが発症しやすい植物です。
適度に剪定を行ったり、梅雨時期前に刈り込むことで通気性をよくして、高湿度を予防することで病気も予防することができます。
病名 | 対策 |
---|---|
うどんこ病 | 蒸れ防止・風通し確保が重要 |
灰色カビ病 | 過湿を避け、風通しを良くする |
イベリスに発生しやすい主な害虫
イベリスはアブラムシやコナガなどの芋虫系の害虫が発生しやすい傾向にあります。
見つけたらすぐに、手で駆除することが効果的な予防方法です。
害虫名 | 対策 |
---|---|
アブラムシ | 見つけ次第駆除。殺虫スプレーや石けん水も効果的 |
芋虫系 | 見つけ次第補殺や薬剤散布 |
イベリスの病害虫の予防対策
株が密にならないように切り戻しを行い、風通しを良くして、
葉や茎が過湿で腐らないようにすることが大切です。
害虫は葉裏や新芽をこまめにチェックしたり、水やりの時に直接葉に水をかけることで予防につながります。
イベリスによくあるトラブルと対処法

トラブル①株元から枯れる
株元や株の中心部から枯れていく場合は、風通しが悪く蒸れている可能性があります。
剪定を行い、風の通りを良くすることで予防することができます。
トラブル②花付きが悪い
花付きが悪い場合は、肥料不足や日照不足が原因と考えられます。
植え付ける場所を変えたり、春先に追肥を行うことで予防しましょう。
トラブル③葉色が悪くなる
葉が黄色くなる原因は、鉢植えであれば根詰まり、水のやりすぎなどが原因だと考えられます。
水捌けが良くなるように土壌改良をしたり、用土を変えることで予防することができます。
他にも株の老朽化で葉が黄色くなることがあります。
イベリスの人気品種と特徴

品種名 | 特徴 |
---|---|
イベリス・センペルヴィレンス | 多年草。白い小花を密に咲かせる代表種 |
イベリス ジブラルタル | ジブラルタルの岩山に自生する多年草 アッパー・ロック自然保護区のシンボル |
イベリス・ブライダルブーケ | 濃いグリーンの葉に、はっきりとした白い花が咲き 花嫁のブーケのような容姿 |
イベリスの楽しみ方
花壇で楽しむ
低く広がる姿が縁取りに最適で、他の植物を引き立てる効果があります。
水捌けの良いところを好むため、ロックガーデンにおすすめの植物です。
寄せ植えでの楽しむ
ビオラやネモフィラ、チューリップなど少し背丈の出る植物やカラフルな春花との相性が抜群で、白い花が他の色花を引き立てます。
グランドカバーとして
イベリスは、多年草で常緑タイプの品種があり、芝生代わりとしても活用できます。
管理が芝生と比べて楽で美しい景観を長期間楽しめます。
イベリスのQ&A

- Q夏に枯れてしまう場合は?
- A
イベリスは蒸れと高温多湿が苦手です。
切り戻しと風通しを意識し、半日陰に移動させましょう。
- Q開花後の手入れは?
- A
花がらを摘み、株元近くまで切り戻すと、再び整った姿になります。
- Q鉢植えでも大丈夫?
- A
もちろん大丈夫です。
鉢植えの場合は水切れに注意し、2年に1度は植え替えを行いましょう。
イベリスの花言葉や名前の由来

イベリスの名前の由来は、原産地イベリア半島(スペイン〜ポルトガル地域)に自生していることから名付けられました。
花言葉は、「心をひきつける」「思いやり」「甘い誘惑」などがあり、イベリスらしい花言葉がつけれられています。
また、イベリスはミツバチを惹きつける花でもあるため、受粉の手助けをしてくれる植物です。
イベリスのまとめ|年間管理カレンダー
月 | 作業内容 |
---|---|
1〜2月 | 寒さに強いが、霜よけや防寒対策を確認 |
3〜4月 | 開花期(摘心や花がら摘みで花数を増やす)・肥料施用 |
5〜6月 | 開花後の切り戻し(株姿を整える)・挿し木の適期 |
7〜9月 | 夏越し管理(蒸れ防止・水はけよく)・病害虫チェック |
10〜12月 | 秋まき種子の播種期(1年草タイプ)・株の防寒対策準備 |
- 花後はしっかり切り戻して風通しを良く:蒸れを防ぎ、株の健康を保つ
- 水はけの良い土に植え、蒸れと過湿に注意:根腐れを防ぎ、長期間楽しめる
- 日当たりを確保すれば、年々株が大きく育つ:花付きも良くなり見応えアップ
- 寒さに強く、春の花壇に彩りを添えてくれる名脇役:メンテナンスも楽で初心者にもおすすめ
イベリスは育てやすさと美しさを兼ね備えた、まさに春のガーデンに欠かせない植物です。
一年草品種と多年草品種があり、どちらも魅力的な植物です。
イベリスの魅力を最大限に楽しみたい方は多年草を、
毎年違う植物を育てたいという方は一年草品種がおすすめです。
ぜひあなたに合った品種を見つけてみてください。
適切な管理を行えば、毎年美しい白い花のカーペットを楽しむことができます。
ぜひあなたの庭でも、イベリスの魅力を体験してみてくださいね。
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