宿根アスターの初心者でもわかる育た方や魅力|秋に咲く紫の星

アスター 秋の植物

秋の花壇を彩る美しい星形の花、宿根アスター。

初心者でも育てやすく、世界中で愛され、特にヨーロッパやアメリカの庭園では秋の定番植物として親しまれています。

品種改良も盛んに行われ、現在では数百種類の園芸品種が存在します。

年々株が充実していく魅力的な宿根草です。

この記事では、植え付けから日々の管理、トラブル対処法まで、宿根アスターの育て方を詳しく解説します。

宿根アスターの基本情報

宿根アスター
学名Aster spp.
科名/属名キク科/アスター属
原産地北アメリカ・ユーラシア大陸など
分類多年草(宿根草)
草丈30〜150cm(品種により幅あり)
開花時期9月〜11月(秋)
耐寒性強い
耐暑性やや弱い〜普通

宿根アスターの特徴

宿根アスターは秋に咲くキク科の多年草で、小さな星形の花を多数つけます。

紫や青、白、ピンクなどの花色があり、花壇の奥行きや切り花として人気です。
丈夫で育てやすく、年々株が大きくなるのも魅力の一つ。

秋の庭を華やかに彩る代表的な宿根草として、多くのガーデナーに愛され続けています。

宿根アスターの育て方

アスター
置き場所風通しがよく日当たりの良い場所
用土水捌けがよく、保水力のある中性土壌
水やり地植えの場合は雨だけでOK
鉢植えの場合は、土の表面が乾いたらたっぷりと与える
肥料開花時期には肥料を控え、成長期に月に一回程度緩効性肥料を与える。

宿根アスターの植え付け・置き場所

日当たりと風通しの良い場所が適地です。

半日陰でも育ちますが、花つきが減少する傾向があります。
特に風通しの良さは病気予防の観点からも重要です。

宿根アスターの用土は?

水はけと適度な保水力がある土を好みます。

植え付け前に腐葉土や完熟堆肥を混ぜ込むと、土の物理性が改善され、根張りが良くなります。pH6.0〜7.0の中性に近い土壌が理想的です。

宿根アスターの水やりの方法

地植えの場合は、根が張れば自然雨だけで十分です。
ただし、極端に乾燥が続く場合は水やりを行います。

鉢植えの場合は、土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えましょう。
夏場の水切れには特に注意が必要です。

宿根アスターの肥料の与え方

植え付け時に緩効性の元肥を施します。

その後、春から夏にかけて月1回程度、緩効性肥料を追肥します。
ただし、花期直前の追肥は避けましょう。

窒素分が多すぎると徒長し、倒れやすくなります。

宿根アスターの植え付け・植え替え・増やし方

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宿根アスターの植え付け時期

春(3〜4月)または秋(10〜11月の開花後)が適期です。
春植えの方が根の活着が良く、初心者にはおすすめです。

株間は30〜50cmと広めに取ります。
宿根アスターは成長すると大きく広がるため、最初は寂しく感じても、将来を見越した間隔を保つことが大切です。

宿根アスターの植え替え

3年に1回程度、株分けを兼ねて植え替えを行います。
株の中央部が木質化して活力が落ちてきたら、植え替えのサインです。

増やし方

株分けが最も簡単で確実な方法です。
植え替えのタイミングで、春または秋に株を掘り上げ、根を傷つけないよう丁寧に分けます。

1株につき3〜5芽程度つけて分けると良いでしょう。

他にもさし木で増やすこともできます。

宿根アスターの季節ごとの管理方法

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季節管理ポイント
新芽が出始めます。芽かきや摘心でボリュームアップを図りましょう
水切れに注意。切り戻しで徒長を防止します
花期です。花がら摘みをして長く楽しみましょう
地上部は枯れますが根は生きています。地植えはそのまま越冬OK、鉢植えは霜除け推奨

宿根アスターの春の管理(3〜5月)

新芽が勢いよく伸び始める時期です。

5月頃に摘心を行うと、わき芽が増えて花数が多くなります。
また、弱い芽は早めに間引いて、強い芽に栄養を集中させましょう。

宿根アスターの夏の管理(6〜8月)

高温多湿による蒸れを防ぐため、株の風通しを良くします。
草丈が高くなりすぎた場合は、7月頃に半分程度まで切り戻すと、秋により多くの花を楽しめます。

宿根アスターの秋の管理(9〜11月)

いよいよ開花の季節です。
咲き終わった花は早めに摘み取ることで、次の花が咲きやすくなり、長期間花を楽しめます。

宿根アスターの冬の管理(12〜2月)

地上部は完全に枯れますが、根は生きています。

枯れた茎葉は整理し、株元に腐葉土やバークチップでマルチングすると防寒効果があります。

宿根アスターの病害虫とその対策

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宿根アスターが発症しやすい主な病気

宿根アスターは、うどんこ病や灰色かび病、さび病などが発生しやすいです。

どの病気も風通しの悪さや高温多湿が影響をして発症しやすいため、風通しをよくしたり、花がらなどをこまめに取り除くことが大切です。

発症してしまった場合は、症状が出ている葉や枝を取り除き、農薬を散布しましょう。

宿根アスターに発生する主な害虫

アブラムシが発生しやすく、
新芽や蕾につきやすく、発見次第早期駆除が重要です。

少数なら手で取り除き、多数発生した場合は殺虫剤を使用します。

他にもハモグリバエやアザミウマが発生する場合があるため、オルトランなどを利用していると予防にも繋がります。

病害虫の予防対策

梅雨時期は特に注意が必要です。

株が密生しないよう適度に刈り込み、風通しを確保します。
また、水やりは午前中に行い、夕方までに葉が乾くようにしましょう。

宿根アスターによくあるトラブルと対処法

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トラブル①花つきが悪い

花付きが悪い原因は、日照不足または肥料の与えすぎ(特に窒素過多) である可能性が考えられます。

より日当たりの良い場所に移すか、肥料を控えめにして様子をみましょう。
肥料を与えたいのであれば、窒素分の多い肥料は避け、リン酸分を多く含む肥料を選びましょう。

また、日当たりの良い場所に移すことで一時的に葉焼け(葉が黄色くなる)してしまうこともありますが、時間が経つことで元気な新芽が芽吹き始めます。

トラブル②倒れやすい

草丈が高くなる品種や、風の強い場所での栽培をすると倒れてしまうことがあります。 

早めに支柱を立てるか、5〜6月に摘心して草丈を抑えます。
複数本をまとめて支柱で支える方法も効果的です。

トラブル③株が蒸れる

新芽や高い位置にある葉っぱは枯れていないのに、株元や中央から枯れてくると、高温多湿期の風通し不良による蒸れが原因の可能性があります。 

梅雨に入る前の初夏(6〜7月)に株の半分ほどまで切り戻し、風通しを確保します。
また、株間を適切に保ち、密植を避けることも重要です。

宿根アスターのおすすめの品種

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‘ブルーバイユー’

PWが販売する品種で、濃い紫色の花と丈夫さで人気があります。
初心者にもおすすめです。草丈は約100cmで、切り花にも適しています。

‘アスター ミステリーレディー’

アスター ミステリーレディーは、花径は3~3.5cmと大輪で、ドーム状に花が咲く完全な八重咲きの宿根アスターです。
よく枝分かれし、コンパクトな株にたくさんの花を咲かせます。
花もちがよく、次から次へと花が上がるので切り花としてもおすすめです。
どの品種も発色がよいパステルカラーで、優しい色の花がたくさん咲き誇ります。

ビクトリア

花持ちが大変強く、草丈20cm程の矮性品種なので鉢や花壇にとても使いやすい品種です。
短日の環境下で、日当たりの良い場所であれば次々に新しい花が咲きます。]

宿根アスターの楽しみ方

アスター

花壇での活用

秋の花壇の主役として
コスモスやサルビア、チェルシーなどと組み合わせることで、秋らしい美しい景色を演出できます。高低差をつけた植栽により、立体的な花壇が完成します。

ボーダーガーデンの背景に
草丈の高い品種は花壇の後方に配置し、手前に低草丈の植物を合わせると奥行きのある美しい景観が作れます。

切り花として

宿根アスターは花もちが良く、水揚げも良好なため切り花として優秀です。
他の秋の花材と組み合わせることで、季節感あふれるアレンジメントが楽しめます。

コンテナガーデン

矮性品種を使用すれば、鉢植えでも美しく楽しめます。
テラスやベランダでの栽培にも適しており、移動可能なため管理も便利です。

宿根アスターの栽培Q&A

アスター
Q
毎年咲かせるにはどうすればよいですか?
A

宿根アスターは多年草なので、冬に地上部が枯れても根は生きています。
特別な手入れは不要で、翌春には自然に新芽が出てきます。
ただし、寒くなってきたら、株元の保温のため、腐葉土などでマルチングすることをおすすめします。

Q
花を増やすコツはありますか?
A

5月〜6月に茎の先端を摘心(ピンチ)すると、わき芽が増えて枝数が多くなり、結果的に花数もアップします。
摘心は草丈が20〜30cm程度になった頃に行うと効果的です。

Q
冬の手入れはどうすればよいですか?
A

枯れた地上部は12月頃に地際から切り取って整理します。
その後、株元に腐葉土やバークチップでマルチングすれば霜よけにもなり、翌春の芽出しも良くなります。

Q
株分けの適期はいつですか?
A

春(3〜4月)または秋(10〜11月)が適期です。
春の方が根の活着が良いため、初心者には春の株分けをおすすめします。

Q
肥料はどのくらい与えればよいですか?
A

春から夏にかけて月1回程度、緩効性肥料を与えます。
ただし、窒素分が多すぎると徒長して倒れやすくなるため、バランスの取れた肥料を適量使用することが大切です。

宿根アスターの豆知識・名前の由来

アスター

「アスター」という名前は、ギリシャ語で「星(aster)」を意味します。

これは花の形が星のように見えることに由来しています。
放射状に広がる細い花弁が、まさに星を思わせる美しい形状を作り出しています。

日本では「エゾギク」「ミケアスター」「ユウゼンギク」などの和名で呼ばれることもあります
「エゾギク」は北海道(蝦夷)に多く自生していたことから、「ユウゼンギク」は友禅染めのような美しい色合いから名づけられました。

宿根アスターの花言葉には「追憶」「信じる心」「思い出」「変化」などがあります。

秋の季節にふさわしい、どこか懐かしさを感じさせる情緒ある意味が並んでいます。
これらの花言葉は、秋という季節の持つ物思いにふけるような雰囲気とよく合致しています。

宿根アスターのまとめ|年間栽培スケジュールと管理のコツ

作業内容
3〜4月芽出し・植え替え・株分け・摘心開始
5〜7月肥料・支柱設置・切り戻し・病害虫対策
9〜10月開花・花がら摘み・観賞期間
11月〜2月地上部が枯れる・株元の整理と防寒対策
宿根アスターのまとめ
  • 日当たりと風通しの良い場所で管理することで病気の予防にもなり、花つきも良くなります。
  • 摘心と切り戻しで草姿を整え、株の充実を図りましょう。タイミングを逃さずに行うことで、より美しい株に育ちます。
  • 数年に一度の株分けを行い、元気をキープします。古い株は中心部が木質化するため、定期的な更新が重要です。
  • 各季節の特性を理解し、適切な管理を行うことで、毎年美しい花を楽しめます。

宿根アスターは、秋の花壇に欠かせない魅力的な宿根草です。

適切な管理を行えば、毎年豊富な花を咲かせ、ガーデンを美しく彩ってくれるでしょう。

初心者の方でも十分に育てられる植物なので、ぜひ挑戦してみてください。
秋の庭に星のような美しい花が咲き誇る光景は、きっと心に残る素晴らしい体験となることでしょう。

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