小さな花がこんもりと咲き、甘い香りが魅力的なアリッサム。
花壇の縁取りや寄せ植えに欠かせない人気の草花です。
この記事では、初心者の方でも失敗しないアリッサムの育て方を詳しく解説します。
アリッサムの基本情報

学名 | Alyssum |
科名 | アブラナ科 |
属名 | ミヤマナズナ属 |
原産地 | 地中海沿岸 |
分類 | 一年草または多年草 (日本では多年草であっても一年草扱いが一般的) |
草丈 | 10〜20cm |
開花時期 | 10月〜翌年6月ごろ(気候により差あり) |
耐寒性 | やや強い(霜に注意) |
耐暑性 | 弱い(蒸れに注意) |
アリッサムの特徴
アリッサムは小さな花がこんもりと咲き、可愛らしい姿と甘い香りで人気の草花です。
地面を這うように広がる性質があり、花壇の縁どりや寄せ植えの足元にぴったり。
白・ピンク・紫など色展開も豊富で、どんな植物との組み合わせも楽しむことができます。
一年草のものと多年草のものがあり、1年草の品種は春と秋に、多年草の品種は周年開花するため、常に花を楽しむことができます。
また、暑さに強い品種として有名なスーパーアリッサムは、正式にはアリッサム(Alyssum)ではなく、ロブラリア(Lobularia)の仲間になります。
しかし、アリッサムという名前がついている植物全般に、属に関係なく、水はけのよい日なたを好み、酸性の土を嫌います。
アリッサムは、植物には珍しく毒はないと言われています。
そのため、エディブルフラワー(食べる花)としても注目されている草花に一つです。
アリッサムの育て方

置き場所 | 風通しがよく、日当たりの良い場所 |
用土 | 水捌けの良い用土 |
水やり | 土の表面が乾いたらたっぷり |
肥料 | 2週間に1回程度 |
アリッサムの置き場所は?(日当たり・風通し)
日当たりと風通しの良い場所で育てると花付きが良好になります。
半日陰でも育ちますが、開花数は減ってしまいます。
特に風通しの良さは病気予防にも重要なポイントです。
アリッサムの用土は?
水はけのよい土を好みます。
市販の草花用培養土で問題ありませんが、赤玉土と腐葉土を混ぜた土(4:6)に緩効性肥料を混ぜたものでも良く育ちます。
水はけが悪いと根腐れの原因となるため注意が必要です。
アリッサムの水やりの方法
土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。
過湿を避けることが重要で、特に梅雨時期は水やりの頻度に注意しましょう。
株元に水をかけるよりも、土に直接水を注ぐようにします。
アリッサムの肥料の与え方
月1回程度の緩効性肥料、または2週間に1回の液肥を与えることで、花を絶やさないようにできます。肥料が不足すると花付きが悪くなるため、定期的な施肥を心がけましょう。
アリッサムの植え付け・増やし方・剪定

植え付け時期
春(3月〜4月)または秋(10月〜11月)が植え付けの適期です。
花を長く楽しみたい場合は、秋に植え付けることで初夏ごろまで楽しむことができます。
また、真夏や真冬は避け、気温が穏やかな時期を選びましょう。
寄せ植えにしたり、花壇やコンテナに植え付ける場合には、株間は15〜20cm程度とします。
アリッサムは横に広がる性質があるため、余裕を持った間隔で植え付けることが大切です。
アリッサムの増やし方
種まきが一般的な増やし方で、9月〜10月ごろが適期です。
種は細かいため、土に軽く覆土する程度にとどめます。
発芽まで土を乾かさないよう注意しましょう。
こぼれ種で増えることもあるため、予想外のところから芽をだすことがあります。
アリッサムの剪定
伸びすぎたら半分ほど切り戻しを行います。
夏前の切り戻しを行うことで、夏を乗り越えやすく、秋にも開花しやすくなります。
花がら摘みもこまめに行うと、次々と新しい花が咲き続けます。
アリッサムの季節ごとの管理方法

季節 | 管理ポイント |
---|---|
秋 | 植え付け・種まき・水やり開始。気温が下がると成長がゆるやかになります |
冬 | 霜よけをして保温。寒冷地では不織布などでカバーします |
春 | 開花ピーク。花がら摘みと追肥で長く楽しめます |
初夏 | 暑さが苦手な時期。切り戻して風通しを良くします |
夏 | 多くは枯れますが、涼しい地域では夏越し可能 (短く剪定+半日陰管理) |
アリッサムの病害虫とその対策

アリッサムで発症しやすい病気
基本的にアリッサムは病気に強い植物ですが、密になる性質から、
灰色かび病やうどんこ病が発生することがあります。
混みすぎた株を剪定し、風通しを確保することで予防することができます。
アリッサムに発生しやすい主な害虫
アブラムシやヨトウムシなどが付くことがあります。
発見次第、早めに駆除することが大切です。
病害虫の対策方法
定期的に植物の状態ををチェックし、早期発見に努めましょう。
剪定や薬剤散布のほか、石けん水スプレーなどで、対策することができます。
アリッサムでよくあるトラブルと対処法

トラブル①急にしおれる・黒くなる
アリッサムは、雨が続くと急に元気がなくなることがあります。
そういった時は、過湿による根腐れが原因です。
水はけを改善し、雨が当たらない場所に移動したり、水やりを控えめにしましょう。
トラブル②花が咲かない
アリッサムは比較的花をつけやすい植物ですが、肥料不足や日照不足が原因で花数が減ったり、花が咲かなくなることがあります。
追肥を行ったり、置き場所を見直してみましょう。
ただ、日照不足の場合、急に日当たりのいい場所に移動すると、葉焼けをしてしまい、一気に枯れ込むことがあります。
株が元気であれば新しい新芽が出てきますが、弱っているとそのまま枯れてしまうことがあるため注意が必要です。
トラブル③株が徒長する
こんもりとした株が印象的なアリッサムですが、日照不足や肥料過多により徒長したり、間延びしてしまうことがあります。
徒長してしまったら、切り戻しをして姿を整え、再び脇芽の発生を促しましょう。
また、肥料を控えたり、置き場所を変えたりする必要があります。
アリッサムのおすすめの品種とバリエーション

スーパーアリッサム・スノープリンセス’
アリッサムの中でも近年人気があるのが、スーパーアリッサム・スノープリンセスです。
多年草タイプで暑さにやや強く、長期間開花が楽しめる品種です。
‘イースターボネット’
一年草で多花性で株張りが良好。
色も白・ピンク・バイオレット・ディープローズと4色のバリエーションがあります。
種と苗での販売があります。
‘クリアクリスタル’
大輪でふわっと咲く、華やかな印象の品種です。
色は、ラベンダーシェード・パープルシェード・白の3色があります。
クリアクリスタルも一年草に分類されます。
‘マウンテンゴールド’
カラーバリエーションは一色で黄色の花を咲かせてくれます。
多年草なので、夏を乗り越えることができれば毎年楽しむことができます。
アリッサムの楽しみ方

花壇の縁取りに
ビオラやチューリップとのなどの中型の植物や背の高くなる植物との相性が抜群です。
春に開花シーズンを迎える品種が多いため、春の花壇におすすめの植物です。
寄せ植えの足元やグランドカバーに
アリッサムはどの品種も矮性で低く広がるため、立体感のある構成を作ることができます。
また、比較的丈夫な植物なのでグランドカバーにも最適です。
鉢植え・ハンギングに
小型な品種が多いため、ベランダなので狭いスペースでも手軽に楽しむことができる植物の一つです。
ベランダで草花を育ててみたいという方にはおすすめです。
アリッサムの栽培Q&A

- Q真夏にも咲きますか?また管理の方法は?
- A
暑さに弱いため、夏越しは難しいです。
梅雨前に切り戻しを行い、日陰に移動させて様子を見ましょう。
- Q多年草なの?一年草なの?
- A
原産地では多年草ですが、高温多湿で枯れることが多いため日本では一年草扱いが一般的です。
- Q毎年咲かせたいならどうする?
- A
夏越しを狙わず、種をとって秋に種をまいて育てれば、毎年楽しむことができます。
こぼれ種でも自然発芽することがあります。
アリッサムの豆知識や名前の由来

アリッサム(Alyssum)という名前は、古代ギリシャ語の「a(否定)」と「lyssa(狂犬病)」に由来しています。
かつて、狂犬病の治療薬として使われていたことにちなんで名付けられました。
和名は「ニワナズナ」といい、春の七草であるナズナに花の形状が似ていることから名付けられました。
スイートアリッサムの花言葉は、
「美しさに優る価値」「優美」「飛躍」などです。
これらの花言葉は、控えめながらも美しい花姿や、一面に広がるように咲く様子に由来しています
アリッサムまとめ| 年間スケジュール
月 | 作業内容 |
---|---|
9〜10月 | 種まき・苗の植え付け |
11〜3月 | 開花期・霜除け・剪定と追肥 |
4〜5月 | 開花ピーク・切り戻し |
6〜7月 | 夏越し挑戦(涼しい地域) |
8月末〜 | 再び種まき開始 |
- 風通しと日当たりを確保する
- 花がらをこまめに摘んで長く咲かせる
- 夏前に切り戻せば秋に再び花が見られることも!
アリッサムは比較的育てやすく、初心者の方にもおすすめの草花です。
甘い香りと可愛らしい花で、ガーデニングライフをより豊かにしてくれるでしょう。
ぜひこの記事を参考に、美しいアリッサムを育ててみてください。
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