ハート形の葉と色鮮やかな仏炎苞(花のように見える部分)が美しいアンスリウム。
室内で一年中花を楽しめる魅力的な観葉植物の育て方を、初心者の方でも分かりやすく詳しく解説します。
アンスリウムの基本情報

学名 | Anthurium |
科名/属名 | サトイモ科アンスリウム属 |
原産地 | 中南米の熱帯地域 |
分類 | 観葉植物(多年草) |
草丈 | 30〜60cm(品種によりことなる) |
開花時期 | 一年中(室内で管理すれば周年開花) |
耐寒性 耐暑性 | 弱い 強い |
アンスリウムは、ハート形の葉と色鮮やかな仏炎苞(花のように見える部分)が特徴の観葉植物です。
赤・ピンク・白・緑などバリエーションも豊富で、室内インテリアのアクセントにぴったり。
花もちが良く、切り花にも人気があります。
適切な管理を行えば、室内で一年中美しい花を楽しむことができます。
高湿を好むため、葉水や加湿器の使用が効果的です。
しかし、蒸れには注意が必要なので、サーキュレーターを使ったり、風通しの良い環境を作ることが大切です。
また、冬場の乾燥対策は重要で、定期的な葉水で葉の美しさを保つことができます。
アンスリウムにシュウ酸カルシウムという毒があります。
特に葉や茎に含まれており、口の中や皮膚に触れると、刺激やかゆみ、炎症を引き起こす可能性があります。
また、誤って摂取すると、口の粘膜の炎症、吐き気、嘔吐などの症状が出る可能性があります。
小さなお子さんやペットのいるご家庭は特に注意が必要です。
アンスリウムの育て方の基本

置き場所・植え付け場所 | 明るい室内 |
用土 | 水はけの良い用土(赤玉5: ピートモス3: パーライト2) 市販の観葉植物の土 |
水やり | 春〜秋は土の表面が乾いたらたっぷりと与える 冬は乾燥気味で水やりは控えめ |
肥料 | 春〜秋にかけては、液肥を2週間に1回 |
置き場所(日当たり・風通し)
明るい室内(レースカーテン越しの光)で管理しましょう。直射日光は葉焼けの原因となるため避ける必要があります。
風通しの良い場所を選び、エアコンの風が直接当たらない場所が理想的です。
土
水はけの良い土を好みます。市販の観葉植物用培養土で十分ですが、自作する場合は赤玉土5+ピートモス3+パーライト2の割合がおすすめです。
排水性と保水性のバランスが重要なポイントです。
水やり
春〜秋:表面が乾いたらたっぷりと水を与えます
冬:乾燥気味に控えめに(週1回程度)
鉢底から水が出るまでしっかりと与え、受け皿にたまった水は必ず捨てるようにしましょう。
肥料
春から秋の成長期には、月1回の緩効性肥料または2週間に1回の液体肥料を与えます。
冬期は肥料を控え、植物を休ませることが大切です。
アンスリウムの植え替え・増やし方

アンスリウムの植え替えや植え付けの適期は、4〜6月頃がおすすめです。
植え替えは2年に一回程度目安に行いましょう。
鉢底から根っこだ出てきたり、水やり後すぐに鉢底から水が流れるようであれば、植え替えのタイミングになります。
また、植え替えのタイミングで、株分を行うことで増やすことができます。
分けた株は最初の数週間は半日陰で管理し、根を定着させます。
アンスリウムの季節ごとの管理ポイント

アンスリウムは、暖かくなってくる4月ごろから活動がはじります。
活動が始まったら、液肥や緩効性肥料を与えて活力を与えてあげましょう。
夏になると、本格的な成長シーズンが始まります。
水切れに注意しながら、葉水も行うと本来の美しさを楽しむことができます。
気温が落ち着く秋になると、成長速度が緩やかになってきます。
肥料と水やりの回数を徐々に控えて冬越しに備えていきましょう。
冬になると、アンスリウムは休眠期に入ります。
水やりや肥料を控えて、乾燥気味にそだてましょう。
季節 | 管理内容 |
---|---|
春 | 植え替え・株分けに最適。水やりと肥料を再開します |
夏 | 生育旺盛。水と肥料をしっかり与え、葉水も効果的です |
秋 | 生育が緩やかになります。水やりと肥料を徐々に控えます |
冬 | 休眠期。水を控え、室温15℃以上をキープします |
アンスリウムに発生しやすい病害虫とその対策

アンスリウムの発症しやすい病気
アンスリウムは湿度を好む植物なので、根腐れや斑点病が発生することがあります。
過湿や通気不足が原因となるため、水はけの改善と風通しを意識することが重要です。
アンスリウムに発生しやすい害虫
アンスリウムは比較的害虫被害の少ない植物ですが、カイガラムシ、ハダニ、アブラムシなどが付くことがあります。
特に乾燥した環境で発生しやすくなるため、アンスリウムに合った環境でない場合が多いです。
葉水を行ったり、葉の裏側をこまめにチェックし、害虫を発見した際は濡れたティッシュで拭き取るか、殺虫剤で除去します。
アンスリウムでよくあるトラブルと対処法

トラブル①花が咲かない・少ない
光不足や肥料不足が原因の可能性があります。
窓際のより明るい場所に移動し、適度な施肥を心がけましょう。
トラブル②葉が黄色くなる
水のやりすぎまたは根詰まりが考えられます。
植え替えや水管理を見直してください。
トラブル③葉が茶色くなる・枯れる
冷え、直射日光、空気の乾燥などが原因です。
室温管理と湿度調整で環境を整えましょう。
急に環境が変わるとよく起こるため、季節の変わり目にも注意が必要です。
アンスリウムの人気品種とバリエーション

アンスリウムの種類は約600品種以上もあるとされ、種類によって特徴や雰囲気なども異なります。
ここでは、おすすめの4種をご紹介します。
品種名 | 特徴 |
---|---|
アンスリウム・アンドレアナム | 一番よく見かける赤系の定番種 |
アンスリウム・ホワイトチャンピオン | 白花が美しい、清楚な印象の品種 |
アンスリウム・ピンクチャンピオン | パステルピンクのかわいらしい仏炎苞 |
アンスリウム・クラリネルビウム | 花より葉を楽しむタイプ。太い白い葉脈が美しい |
アンスリウムの楽しみ方

アンスリウムは、赤い花(仏炎苞)が印象的な品種が一番出回っています。
リビングや玄関に置くことで、彩りと上品な存在感をプラスし、空間を華やかに演出します。
特に玄関に赤いアンスリウムを置くことで、良い気を呼び込み、悪い気を払う効果があり、恋愛運や仕事運を高めると言われています。
また、通年花を咲かしていることが多いため、ギフトとしても人気のある植物です。
アンスリウムの栽培Q&A

- Q花(仏炎苞)はずっと咲きますか?
- A
1〜2ヶ月楽しめます。花が終わったら切り戻すと次の開花につながります。
- Q仏炎苞が緑色になったのですが?
- A
咲き終わりや光不足によって色あせていきます。
花がらを切って株を休ませてあげると次も綺麗にさかせてくれます。
- Q冬はどこに置けばいい?
- A
15℃以上の室内で、窓際の日差しが入る場所がベストです。
夜間は冷気が当たらないよう注意してください。
アンスリウムの豆知識や名前の由来

「アンスリウム」はギリシャ語で「尾(anthos)+花(oura)」を意味し、尾のような花の形状に由来しています。
そんなアンスリウムですか、花言葉は
「情熱」「飾らない美しさ」「恋にもだえる心」などがあり、色によって異なる花言葉があります。
赤い花に見える部分は、仏炎苞と言い、実際の花は中央の棒状部分(肉穂花序)です。
この構造はサトイモ科植物の特徴でもあります。
まとめ|年間管理スケジュール
月 | 作業内容 |
---|---|
3〜5月 | 植え替え・株分け・肥料開始 |
6〜9月 | 成長期。水やり・葉水・肥料を充実 |
10〜11月 | 肥料を控え、水やりも徐々に減らす |
12〜2月 | 冬越し管理。乾燥・寒さ対策をしっかりと |
- 明るく暖かい室内で育てるのがベスト
- 葉水・加湿で乾燥対策を徹底
- 咲き終わった花は早めにカットして株をリフレッシュ
- 肥料は春〜秋の生育期だけ。冬はお休み!
アンスリウムは適切な管理を行えば、初心者の方でも美しい花を一年中楽しむことができる魅力的な観葉植物です。
特に湿度管理と温度管理がポイントで、これらを押さえれば長期間にわたって色鮮やかな仏炎苞を楽しむことができます。
インテリアグリーンとしての価値も高く、ギフトとしても喜ばれる植物です。
ぜひこの記事を参考に、美しいアンスリウムライフを始めてみてください。
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