矢じり型やハート型の葉に美しい光沢と白い葉脈模様が印象的なアロカシア。インテリアグリーンとして高い人気を誇る熱帯性観葉植物の育て方を、初心者の方でも分かりやすく解説します。
アロカシアの基本情報

学名 | Alocasia |
科名/属名 | サトイモ科/クワズイモ属(アロカシア属) |
原産地 | 熱帯アジア・東南アジア |
分類 | 観葉植物 |
草丈 | 30cm〜2m以上(品種により変動) |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | 強い |
アロカシアの特徴
アロカシアは、クワズイモの仲間で矢じり型やハート型の葉を持つ熱帯性の観葉植物です。
葉の表面に美しい光沢や白い葉脈模様があり、インテリアグリーンとして高い人気を誇ります。
代表的な種類に「アロカシア・アマゾニカ」や「ククルミナ」「ポリー」などがあり、それぞれ異なる魅力を持っています。
アロカシアの育て方の基本

置き場所 | 明るい室内(直射日光が当たる環境は避ける) |
用土 | 水捌けがよく、保湿性のある用土 |
水やり | 春〜秋: 土の表面が乾いたらたっぷりと与える 冬: 乾燥気味で管理 |
肥料 | 4〜9月ごろまでは2週間に一回液肥あるいは、 緩効性肥料を2ヶ月に一回 |
置き場所(日当たり・風通し)
明るい半日陰からレースカーテン越しの光がベストです。直射日光は葉焼けの原因となるため避けましょう。風通しの良い場所を選び、エアコンの風が直接当たらない場所が理想的です。
土
水はけが良く、やや保湿性のある土を好みます。市販の観葉植物用培養土で十分ですが、自作する場合は赤玉土6+腐葉土3+パーライト1の割合がおすすめです。排水性と保水性のバランスが重要です。
水やり
成長期(春〜秋):表土が乾いたらたっぷりと水を与えます 冬:乾燥気味に管理し、過湿を避けます
鉢底から水が出るまでしっかりと与え、受け皿にたまった水は必ず捨てるようにしましょう。
肥料
4月〜9月の成長期に、月1回の緩効性肥料または10日に1回の液体肥料を与えます。
冬期は肥料を控え、植物を休ませることが大切です。
アロカシアの植え替え・増やし方・剪定

アロカシアは、春から初夏(4月〜6月)が植え替えの適期になります。
2年に1回程度の植え替えを目安にして、鉢底から根っこが出始めたり、水捌けが悪くなったら植え替えのサインになります。
また、株分で増やすことができ、親株の根本から子株が出たら、植え替えのタイミングで株分をおこなうことで増やすことができます。
アロカシアの季節ごとの管理方法

季節 | 管理ポイント |
---|---|
春 | 植え替え・株分けの適期。水やりと肥料を開始します |
夏 | 成長期。水と肥料をしっかり与え、葉水で湿度を保ちます |
秋 | 成長が緩やかになります。水やりを少しずつ減らしていきます |
冬 | 休眠期。5℃以下で弱るため室内管理。水は控えめにします |
アロカシアで発生しやすい病害虫とその対策

アロカシアに発症しやすい主な病気
根腐れ(過湿が原因)や葉枯れ病が発生することがあります。
通気性と排水性を改善することで予防できます。
風通しの良い場所に置いたり用土の改善を行いましょう。
アロカシアに発生しやすい主な害虫
ハダニ、カイガラムシ、アブラムシなどが付くことがあります。
定期的な葉水で乾燥を防ぎ、葉の裏側もチェックしましょう。害虫を発見したら殺虫剤や石けん水スプレーで早めに対処します。
どの害虫も乾燥すると発生するため、環境の目安にもなります。
アロカシアによくあるトラブルと対処法

トラブル①葉が黄色くなる
水の与えすぎ、寒さ、または根詰まりが原因です。
土の状態や室温を確認し、必要に応じて植え替えを行いましょう。
トラブル②葉が垂れる・しおれる
水切れや根のダメージが考えられます。
鉢底をチェックし、必要であれば植え替えを検討してください。
トラブル③葉が小さくなる・減る
光不足や栄養不足が原因です。
より明るい場所へ移動し、追肥を検討しましょう。
2週間ほど様子を見て改善しないようであれば、植え替えを検討しましょう。
アロカシアの人気品種と特徴

アロカシアは約60種が知られています。
ここでは人気のアロカシアを4種に絞ってお伝えします。
品種名 | 特徴 |
---|---|
アロカシア・ポリー | 白い葉脈と矢じり型の葉。インテリアに人気 |
アロカシア・アマゾニカ | シャープな葉とコントラストの強い模様 |
アロカシア・ククルミナ | ハート型の大きな葉。やや大株向き |
アロカシア・ブラックベルベット | 黒に近い葉色と銀白の葉脈で幻想的 |
アロカシアの楽しみ方

アロカシアは観葉植物の中でも室内で育てやすい植物の一つです。
クワズイモの仲間というだけあり、コレクション性も高く、何種類もの品種を並べて楽しむこともできれば、一株一株が大きくなる品種もあるため、インテリアとしても楽しむことができます。
また、ポトスなどの蔓性植物と違い誘引の必要がないため、お手軽にたのしむことができるのも魅力の一つです。
アロカシア栽培のQ&A

- Q冬に葉が全部落ちました。枯れた?
- A
いいえ、休眠している可能性が高いです。根が生きていれば春にまた芽が出ます。
- Q葉に白い粉やカビっぽいものが…
- A
カイガラムシやカビの可能性があります。
すぐに拭き取って殺虫・殺菌処理を行ってください。
- Q直射日光に当ててもいい?
- A
基本的にNGです。葉焼けの原因になります。明るい日陰がベストです。
アロカシアの豆知識や名前の由来

アロカシアの名前の由来は、サトイモ属の「Colocasia(コロカシア)」に否定の「a」を付けたもので、「サトイモ属ではない」という意味です。
アロカシアの尖った葉は「邪気払い」の象徴とされ、玄関や入口付近に置くのも風水的におすすめされています。
また、アロカシアはサトイモ科の植物と同様に、全ての部分にシュウ酸カルシウムという毒が含まれています。
食用のサトイモと比べると、シュウ酸カルシウムの含有量が高く、加熱したり酢を使っても無毒化することができません。
そのため、小さなお子さんやペットがいるご家庭では、誤食に注意が必要しましょう。
また、樹液が目に入ったり、皮膚の弱い方は直接肌に触れなようにしましょう。
まとめ|年間管理カレンダー
月 | 作業内容 |
---|---|
3〜5月 | 植え替え・株分け・肥料開始 |
6〜8月 | 成長期。水やり・葉水をしっかりと |
9〜10月 | 肥料を控えめにし、水やりも減らす |
11〜2月 | 室内へ取り込み。断水気味に管理 |
- 寒さと直射日光を避け、明るい室内で管理
- 葉水や湿度管理でツヤのある葉をキープ
- 冬は5℃以上をキープし、春の復活を待つ
- 葉が1〜2枚でも気にせず、じっくり育てよう!
アロカシアは一見難しそうに見えますが、基本的な管理ポイントを押さえれば初心者の方でも美しく育てることができます。
特に冬の管理が重要で、適切な温度と水分管理を行えば、春には美しい新芽を楽しむことができるでしょう。
インテリアグリーンとしての魅力も高く、モダンな空間にぴったりの観葉植物です。
ぜひこの記事を参考に、アロカシアを育ててみてくださいね。
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