アゲラタムは、さわやかな涼感のある淡いブルーの花色と、ふんわりとしたソフトな質感が魅力の花です。
花壇やコンテナでよく栽培されている植物で、さまざまな植物と一緒に楽しむことができます。
今回は、そんなアゲラタムの魅力や育て方をご紹介します。
アゲラタムの基本情報

学名 / | Ageratum houstonianum |
科名 / 属名 | キク科 / カッコウアザミ属(アゲラタム属) |
原産地 | 中央アメリカ、メキシコ |
分類 | 一年草(多年草扱いされることも) |
草丈 | 20〜40cm程度(品種により矮性〜高性) |
開花時期 | 5月〜10月(春〜秋) |
耐寒性 耐暑性 | 寒さに弱い 暑さにやや強い |
アゲラタムの特徴と魅力
細かく房状に咲く柔らかな花が特徴で、紫や青、ピンク、白といったパステルカラーが魅力です。
コンパクトな株姿で、花壇の縁取りや寄せ植え、鉢植えにも向きます。
ふわふわとした花が可愛らしく、ローメンテで長く楽しめる優秀なガーデンフラワーです。
本来は、多年草ですが耐寒性がないため日本では一年草として扱われています。
アゲラタムにはピロリジジンアルカロイド類の毒性があります。
毒の強さとしては中程度ですが、
過去には牛を死亡させたという事例が報告されています。
そのため、ペットのいる家庭や
小さなお子さんがいるご家庭では誤食しないように注意が必要です。
参考: https://www.jstage.jst.go.jp/article/jvma/77/3/77_e33/_pdf
アゲラタムの育て方の基本

置き場所 | 日当たりがよく風通しのいい場所 |
用土 | 水はけと保水性のバランスが良い用土 |
水やり | 土の表面が乾いたらたっぷり |
肥料 | 開花中に2週間に1回程度追肥 |
アゲラタムの置き場所(日当たり・風通し)
日当たりと風通しの良い場所を好みます。
半日陰でも咲きますが、花数が減る傾向があります。
特に梅雨時期は風通しの確保が重要です。
ただし、夏場の直射日光には弱い傾向があるため注意が必要です。
アゲラタムの用土の選び方
アゲラタムは、水はけと保水のバランスが良い培養土が理想的です。
市販の草花用培養土で十分育てられますが、赤玉土2割程度混ぜるのもおすすめです。
鉢植えの場合は鉢底石を入れて排水性を確保することが大切です。
アゲラタムの水やり
表土が乾いたらたっぷりと与えます。
しかし、過湿に弱いため、水を与えすぎないよう注意が必要です。
特に梅雨時期は控えめにして、株元の蒸れを防ぎましょう。
他にも夏場の日中に水を与えることで、強い日差しと高温で、土の温度が上昇し、根が蒸れてしまうため控えるようにしましょう。
アゲラタムの肥料の与え方
元肥を植え付け時に土に混ぜ込み、開花中は液体肥料を月2回程度与えます。
肥料切れすると花つきが悪くなるため、定期的な追肥を心がけましょう。
アゲラタムの植え付け・剪定・増やし方

アゲラタムの種まき
アゲラタムの種まきの適期は3〜4月ごろの桜の開花シーズンに合わせて種を蒔きましょう。
種の大きさがかなり小さく、約1mm、幅約0.5mm程度の楕円形をしています。
種をまく際には、指でつまんでまくのが難しいため、つまようじや水で湿らせた綿棒などを使って、土の上にそっと置くようにまくのがおすすめです。
また、好光性種子なので、覆土はしないようにしましょう。
アゲラタムの植え付け
アゲラタムの植え付けは、4〜6月上旬ごろまでが適期になります。
本葉が4枚以上になって、根っこがしっかりと張ってから植え付けを行いましょう。
また、花壇やコンテナになどで複数株を植える場合は、20〜25cmほど株間を取り植えるようにしましょう。
アゲラタムの剪定
アゲラタムの剪定は、花がらつみと切り戻し剪定がおすすめです。
切り戻しを行うことで、わき芽からどんどん新しい芽が出てボリュームある株を仕立てることができます。
アゲラタムの増やし方
アゲラタムを増やしたい場合は、種で増やすことができます。
店頭にも種が売られていますし、アゲラタムを育てていると簡単に種を取ることができます。
アゲラタムの季節ごとの管理方法

季節 | 管理ポイント |
---|---|
春 | 種まき・苗の定植。日当たりと風通しの良い場所へ |
夏 | 高温期でも開花継続。花がら摘みで株のリフレッシュ |
秋 | 涼しくなって花数UP。最後の追肥を行う |
冬 | 一年草扱いのため枯れる。多年草扱いなら室内で管理も可 |
アゲラタムで発生しやすい病害虫とその対策
アゲラタムに発生しやすい病気
うどんこ病・灰色かび病に注意が必要です。
特に梅雨時は風通しに気をつけ、密植を避けて予防するようにしましょう。
必要であれば剪定を行い風通しを確保しましょう。
アゲラタムに発生しやすい害虫
アブラムシ・ハダニの発生に注意します。
早期発見と防除が大切で、定期的に葉裏をチェックする習慣をつけましょう。
病害虫の予防ポイント
葉が密に茂りやすいため、蒸れないように適度な間引きや剪定を行います。
風通しを良くすることが最も効果的な予防策です。
アゲラタムでよくあるトラブルと対処法

トラブル①花つきが悪い
原因は、肥料切れか日照不足が考えられます。
液肥を追加したり、日当たりの良い場所に移動させることで改善することができます。
ただし、日当たりのいい場所に移動させることで、葉っぱが黄色くなる可能性もあります。
徐々に日当たりのいい場所に移動させるようにしましょう。
トラブル②株が蒸れて枯れる
原因は、梅雨や真夏の高温が考えられます。
乾燥による枯れや日光が強すぎることが原因で枯れている時との区別の方法は、
土の表面が濡れているかどうかです。
剪定・間引きで風通しを良くし、水やりを控えめにすることで改善することができます。
トラブル③徒長する
徒長する時の原因が、肥料過多または日照不足が考えられます。
追肥を控えて、切り戻しを行うことで調整することができます。
アゲラタムのおすすめの品種やバリエーション

アゲラタムはメキシコからペルーにかけて30種類ほどが分布しています。
また、草丈が低い矮性種と高い高性種があり、
矮性種は、主に鉢植えや花壇で楽しまれ、
高性種は切り花や花壇の後方に植えられることが多いです。
‘ブルーミンク’
最もポピュラーな青紫系の品種。低めの草丈で花壇の縁取りに最適です。
‘ピンクバニラ’
ふんわりと優しいピンク花が特徴。可愛らしい寄せ植えに重宝します。
ホワイトマリー
清楚な白花種。
矮性の大輪種で涼しげな印象を与え、他の花色との組み合わせも美しいです。
「ハワイ」シリーズ
草丈15〜20cmくらいの早生種。
ブルー、ホワイト、ロイヤル(赤紫)、スカイブルーなど花色が豊富
アゲラタムの楽しみ方

花壇の縁取りに
矮性品種は、背が低く横に広がる性質を活かし、花壇の縁や通路沿いの植栽に最適です。
ふわっとした印象で、花壇を囲ってくれます。
寄せ植えに合わせやすい
ペチュニア、バーベナ、カリブラコア、マリーゴールド、サルビアなど様々な植物との相性が良く、調和の取れた寄せ植えを楽しむことができます。
鉢植えで玄関やベランダに
アゲラタムが脇役ではなく、パステルカラーの花が明るい印象を与え、コンテナガーデンの主役としても活躍します。
アゲラタムの栽培Q&A

- Q毎年咲くの?
- A
本来は多年草ですが、日本では霜に弱いため一年草扱いが基本です。
室内で越冬管理すれば翌年も楽しめます。
- Q花が咲かなくなったら?
- A
切り戻しを行い追肥すれば、再び開花します。
特に夏場のリフレッシュ剪定は効果的です。
寒くなってきたら開花しなくなりますので、最後の花は種をとり翌年に向けて準備をしましょう。
- Q室内でも育てられる?
- A
十分な日照が確保できれば可能ですが、風通しと湿度管理が特に重要になります。
アゲラタムの豆知識や名前の由来

アゲラタムは、ギリシャ語で「老いない」を意味し、花色が長期間保たれることに由来しています
和名は、「カッコウアザミ(郭公薊)」と呼ばれ、初夏にカッコウが鳴く頃に咲き始めることから名付けられました。
花言葉には「信頼」や「幸せを得る」「安楽」などがあり、ギフトとしてもぴったりの花言葉が並べられています。
まとめ|アゲラタムの年間栽培スケジュール
月 | 作業内容 |
---|---|
3〜4月 | 種まき・育苗開始 |
5〜6月 | 開花スタート・植え付け・追肥 |
7〜8月 | 花がら摘み・切り戻し・害虫対策 |
9〜10月 | 花の最盛期・秋の追肥 |
11月以降 | 枯れる or 室内で越冬チャレンジ |
アゲラタムを美しく育てるポイントは、日当たりと水はけの確保が最も重要です。
定期的な花がら摘みと切り戻しを行うことで、春から秋まで長期間花を楽しむことができます。
コンパクトな草姿と優しいパステルカラーは、どんな花壇やコンテナにも調和し、初心者でも扱いやすい優秀なガーデンフラワーといえるでしょう。
適切な管理を行えば、手間をかけずに美しい花景色を演出してくれる、頼もしい植物です。
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