シコンノボタンの初心者にもわかる育て方と魅力を徹底解説

シコンノボタンは、鮮やかな紫色の花を次々と咲かせる熱帯花木と呼ばれる植物の一つです。
9月〜10月にかけてが一番美しいシーズンになり、紫の美しい花を咲かせることで知られています。

そんなシコンノボタンの特徴や育て方や育てるときの注意点も併せて紹介します。
シコンノボタンの育て方で悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。

シコンノボタンの基本データと特徴

シコンノボタン,紫紺野牡丹
学名Tibouchina urvilleana
科名ノボタン科
属名 ティボウキナ属
和名紫紺野牡丹(シコンノボタン)
原産地ブラジル
分類常緑低木(半耐寒性)
開花時期6〜11月
耐寒性
耐暑性
やや弱い(0℃以上)
強い

シコンノボタンは、ビロードのような深い紫色の花が魅力的な花木になります。
花径は直径5〜7cmと大きく、一日花ですが、次々と開花するため、長い期間で楽しむことができます。

また、寒さに弱い植物ですが、暖地地方(霜が降りない地域)では、屋外でも越冬することができます。

シコンノボタンの育て方の基本

シコンノボタン
置き場所・植え付け場所日当たりのいい風通しがいい場所
用土水捌けの良い用土
(市販の培養土8:腐葉土1:赤玉1)
水やり春〜秋:土の表面が乾いたらたっぷり
冬:乾燥気味で管理をする
肥料のタイミング鉢植えの場合:植え替え時に緩効性肥料
地植えの場合:2〜3ヶ月に一回の緩効性肥料
共通:開花シーズンに週一回の液肥と活力剤

シコンノボタンは、日当たりと風通しの良い場所を好みます
暖地では、霜対策をしておけば、屋外でも越冬することが可能ですが、寒冷地では鉢植えで育てて、鉢植えで冬場は室内へ取り込むようにする必要があります。

用土は、水捌けのいい用土を好み、市販の花培養土+腐葉土+赤玉を混ぜたものがおすすめです。

水やりは、春から秋にかけては、土の表面が乾いたらたっぷりと与え、冬は落葉していたらあまり水を与えず、乾かし気味に管理をするといいですよ。

肥料は、春から秋の2ヶ月に1回緩効性肥料を与えながら、開花シーズンには、週一回の液肥を与えることで、花付きをよくすることができます。
また、鉢植えの場合は、植え替えの時に緩効性肥料を与えて、開花シーズンに週一回の液肥を与えるといいと言われています。

シコンノボタン植え付け・植え替え

シコンノボタン,紫紺野牡丹

シコンノボタンの植え替えは、4月〜6月がベストシーズンです。

鉢植えの場合は、1〜2年に一回植え替えをするのが目安と言われています。
また、鉢植えに植え替えるときは、一回り大きいサイズの鉢に植え替えて、植え替え後はたっぷり水を与えましょう。

どうしても同じサイズの鉢で育てたいという場合は、根っこ崩して、根の量を切って減らすことでサイズを調整することができます。
ただし、植物にとってはストレスになるため、枯れてしまうリスクがある点には注意をしましょう。

植え替え・植え付け時期4月〜6月
鉢植えの植え替えの目安1年〜2年
植え替え時のポイント根を崩しすぎずにひと回り大きな鉢へ。
植え替え後はたっぷり水を与える。

シコンノボタン季節ごとの管理方法

シコンノボタン,紫紺野牡丹

シコンノボタンは、春から秋にかけて成長をしてくれる常緑樹です。

春には新芽が芽吹きはじめるため、緩効性肥料の肥料を与え始めましょう。

夏はシコンノボタンにとって、最高のシーズンです。
成長期でもあり、開花シーズンでもあるため、液肥などの速効性のある肥料を与えることが大切です。
また、シコンノボタンはたっぷりの水分が必要ですが、蒸れに弱い傾向があるため蒸れには注意が必要です。

秋は、全盛期は終わりましたが10月ごろまでは花を楽しむことができます。
10月の下旬ごろから冬越しの準備のため、肥料を少なくしたり、水やりの頻度を減らしていきましょう。

冬は、シコンノボタンにとっては厳しい季節になります。
本来、ブラジルなどの温かい地方原産の植物なので、ほとんどの地域で屋外から室内管理に切り替えていく必要があります
水やりを控えめにしながら、できる限り日光の当たる場所に置いてあげましょう。

また、シコンノボタンは常緑樹なので、基本的には一年中緑を楽しむことができます。
しかし、寒さには弱いため冬には落葉してしまうこともあります。
落葉しても、次の春にはまた芽吹いてくることもあります

季節管理ポイント
新芽が動き出す時期。剪定や植え替えに適する。肥料も再開。
成長期&開花期。水切れと蒸れに注意しつつたっぷり管理。
引き続き開花。10月下旬ごろから徐々に水やりと肥料を減らす。
寒さに注意。鉢植えは室内の日当たりへ移動し、水やりを控えめに。

シコンノボタンに多い病害虫とその対策

シコンノボタン,紫紺野牡丹

シコンノボタンは、比較的病害虫に強い植物ですが、植え替えたタイミングや気温が15℃を下回る時期には抵抗力が弱くなるため注意が必要になります。

シコンノボタンに発生しやすい病気は?

シコンノボタンは病気に比較的強い植物ですが、風通しが悪いとうどんこ病が発生してしまうことがあります。

うどんこ病
うどんこ病

うどんこ病は、植物に発生する白い粉状のカビのような病気で、葉や茎に発生します。
原因はうどんこ病菌というカビの一種で、植物の栄養を奪うことで成長し、広範囲に広がると植物を枯らしてしまうこともあります。

対策としては、殺菌剤を散布したり、古い花殻を取り除いたり、剪定を適度に行うことが大切です。

シコンノボタンに発生しやすい害虫は?

シコンノボタンに発生しやすい害虫は、アブラムシとカイガラムシになります。

アブラムシ
アブラムシ
カイガラムシ
カイガラムシ

どちらも、ガーデンニングをしているとどこからともなく現れてきます。
アブラムシは3月ごろから発生し初めて、カイガラムシは5月ごろから活発に活動を始めます。

どちらも吸汁性害虫と呼ばれており、植物の汁を吸い取ることで植物を弱らせていく害虫になります。

活動を始める前に、しっかりとオルトランなどの薬剤などで予防することが大切です。
特にカイガラムシは、硬い殻に覆われており、薬剤の効果があまり期待できないので、発見したら、歯ブラシなどで取り除く方法が有効です。

症状原因対策
葉に白い粉状の斑点うどんこ病殺菌剤を使用し、剪定で風通しを改善
葉裏に小さな虫カイガラムシ・アブラムシ葉水・殺虫剤を使用。
発見初期に駆除することが重要

シコンノボタンを育ててるとよくあるトラブルと対処法

シコンノボタン,紫紺野牡丹

シコンノボタンを育てていると起こる問題をいくつかお伝えします。

トラブル①花が咲かないor花の数が少ない

病害虫の症状がなくてm株や葉っぱなどの全体的には元気だけど、花が咲かない(花数が少ない)という場合の原因は日照不足 or 肥料不足であることが多いです。

シコンノボタン特に一日花とよばれるタイプの花で次々に花が咲く植物は、肥料を沢山必要とします。
そのため、鉢植えで育てていると肥料不足で花数が少なくなりがちです。

また、シコンノボタンは熱帯・亜熱帯性の植物なので日光不足の可能性も考えられます。

よく日の当たる場所と定期的な追肥を行うことで、花数を増やすことができます。

トラブル②枝が伸びすぎてバランスが悪い

シコンノボタンなどの樹木類を初心者が育てるとどうしても、バランスが悪くなりがちです。

それは、剪定を行っていないことが原因です。
「剪定をしてしまうと枯れてしまうかも?」
「何がかかわいそう」
と思い剪定に踏み切れないことが多いです。

花後や春などの適切な時期に剪定を行うことで、樹形を整えることができます。

トラブル③葉が黄色くなる

寒さに当たってしまったり、病害虫の影響で葉が黄色くなることがありますが、それ以外の場合は、
過湿または根詰まりが原因です。

土の状態を確認して、乾燥しにくい用土であれば、鹿沼土やパーライトなどの水捌けが良くなる用土を混ぜて使ったり、鉢をスリット鉢や素焼き鉢に変更することで改善することができます。

シコンノボタンのおすすめの品種やバリエーション

シコンノボタン,紫紺野牡丹

シコンノボタンにはさまざまな品種があります。

その中でもおすすめの品種をご紹介します。

品種名特徴
シコンノボタン(一般種)濃い紫花が定番。大きめの株に育ち、庭木におすすめ
コートダジュール小型に改良した園芸品種で、樹高は2mくらいで管理しやすいのが特徴です。
リトルエンジェル咲き始めは花弁の先半分が紫で中心は白色をしていますが、咲き進むにつれて全体がピンク紫に変化する品種です。

シコンノボタンの楽しみ方

シコンノボタン,紫紺野牡丹

シコンノボタンは、暑さに強く寒さに弱いという性質があります。
そのため、地域によって別の楽しみ方をすることができます。

霜の降りない暖地などの温かい地域では、庭の主役として地植えにしてお庭のアクセントにおすすめです。

寒い地域では、地植えは厳しいため鉢植えで育てることができます。
鉢植えで育てることで、室内でも楽しむことができるようになります。

シコンノボタンの栽培Q&A

Q&A
Q
シコンノボタンは毎年咲きますか?
A

5月から6月にかけて、新しく伸びた枝を10cm程度に切り、葉を2~3枚残して、水に30分程度浸してから、清潔な用土に挿します。発根促進剤を使用するとより効果的です。

Q
シコンノボタンは挿木することができますか?
A

5月から6月にかけて、新しく伸びた枝を10cm程度に切り、葉を2~3枚残して、水に30分程度浸してから、清潔な用土に挿します。

Q
シコンノボタンとノボタンは違いますか?
A

シコンノボタンとノボタンはどちらもノボタン科の植物ですが、族が異なります。
シコンノボタンは「シコンノボタン属」に分類され、ノボタンは「ノボタン属」に分類されます
シコンノボタンはブラジル原産で、ノボタンは東南アジアなどに分布しています。
また、葉の形や花の色、花びらの数など、いくつかの違いがあります

Q
シコンノボタンに毒性はありますか?
A

シコンノボタンに毒性は確認されていません。
小さなお子さんがいる家庭やペットのいる家庭でも安心してそだてることができます。

シコンノボタンの豆知識・由来・雑学

シコンノボタン,紫紺野牡丹

シコンノボタンという名前は、シコン+ノボタンという言葉に分けて名前がつけられています。
シコン=紫紺という花の色を表されており、ノボタンは花姿が牡丹と似ていることからつけられました。

原産国からは、プリンセスフラワーとも呼ばれている人気のある植物です。

花言葉は、「平静」「自然」「ひたむきな愛」などがあります。


シコンノボタンの特徴と育て方のまとめ

シコンノボタン,紫紺野牡丹
学名Tibouchina urvilleana
科名ノボタン科
属名シコンノボタン属(Tibouchina)
和名紫紺野牡丹
原産地ブラジル
分類常緑低木(半耐寒性)
開花時期6〜11月
耐寒性
耐暑性
やや弱い(0℃以上)
強い
花言葉「平静」「自然」「ひたむきな愛」

シコンノボタンは、日当たりと風通しの良さが美しく育てる鍵になります。
鉢植えで管理することで、全国的に育てることができる植物です。

また、3mほどになりますが、鉢植えでそだてることで、コンパクトに楽しむこともできます。
長期的に咲く植物を探している方や、毎年楽しめる植物を探している方にはピッタリの花木です。

作業内容
3〜5月剪定・植え替え・施肥開始
6〜9月開花期。日照と水管理を徹底。害虫対策も重要
10〜11月花が終わり始めたら肥料を止めて水やりを減らす
12〜2月冬越し対策(鉢植えは室内、地植えは寒風よけを)

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